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お店のかんたんな履歴


2013年に京都の錦市場で「みつ蜜」はオープンしました。
京都産の栽培期間中、農薬・化学肥料不使用
のサツマイモを中心
にした焼き芋を販売しています。2016年に上京区の坤高町に、「みつ蜜 坤高町店」がオープンしました。同年末に錦店を閉店し、地産地消という原点に帰り、地元の人達に愛されるお店作りを心がけています。(これを作文している今現在17:10にも、毎日くる小学生たちがお店で大騒ぎしていて大変良い)
2017年は焼き芋はもちろん、お芋だけで作った芋蜜(芋のはちみつみ
たいなもの)の生産販売も開始しました。昨年に引き続き、錦市場で仲良しのイタリアン「錦・まつむら」さんとのコラボお菓子や、近所で仲良しの「西陣 ほんやら洞」のおっちゃんが作るパンもあります。そして春過ぎには、京都の花脊で仲良しの農家さんたちとチームを組んで、野菜セットの販売もスタートします!
*注釈*つまり有機栽培・無農薬栽培ということなのですが、いろいろと制約
があるそうで、上記のような書き方をしています

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僕(さとう)が焼き芋屋さんになるまでとこれからのこと

 

■その1■ 黎明編
高校三年のある日、担任の先生が言った。
さとうくん、授業料が支払われていない。
あーれーまー

ということで、ようやく家の財政状況を把握しました。
大学も私立の美術大学しか受からなかったのでこわくなって進学を止めました。
なぜこわくなったかというと、受験費用ですらこんなに高額なのに、4年間の授業料なんか払える気がし
かったのです。(親に内緒でこっそり受験していたので)
そして就労し、給料は全て実家へ寄付し、自分のお小遣いは土日の日雇い肉体労働で稼いで。そしてなるべくしてとても暗い人間になりました。ドストエフスキーの「罪と罰」を読んで、ラスコーリニコフはオレだ。と思ったりするんです。
そしてなるべくして社会に不満を持つのです。

■その2■ 乱世編
同じくらいの時期に、京都大学の吉田寮をうろうろするようになり、聴いたことのない尾崎豊を寮生と一緒に歌ったりしていると、だんだん自分
が何も知らないということに気がつきます。
そこで英語・数学・社会・国語・理科を中学1年から勉強し直しました。(高校三年まで)

そんなこんなで。
実家の財政状況が回復したからか、僕がギブアップしたからか、貯金をして旅に出ることにしました。
このままでは本格的に日本が嫌いになってしまう。ので日本の外から日本を見てみたほうがいいなあと
考えたわけです。
父親となぐりあいになります。メガネが吹っ飛びます。
こうして、顔面に傷をつけて小樽行きのフェリーで出発。ヒッチハイクして稚内。稚内からサハリン島、そしてシベリア鉄道に乗って北欧を抜けてヨーロッパをうろうろしました。
お金も時間もまだまだあったけれど、もうええか。と思って帰国し、父親とぎくしゃくしながら再会。
ぎくしゃくしながら東京へ逃げるように移住。
<ように>というか、完全逃避。

■その3■ 生命編

などしていると、2011年3.11の震災に遭遇しました。東京もすごい揺れでした。ようやくスイッチが入るわけです。
これまで1億人くらいに迷惑をかけてきたので、ここらで人の役に立つ立派な人間になろう。
ということで、震災直後に直面した食糧問題に関心をもち、自分の食べる分を自分で作るよう
な、少しでも食糧自給率を上げるような仕組み作りに注力しようと決心し京都に戻りました。

■その4■ 復活羽衣編
帰郷し、最初にしたのは畑を借りて無農薬栽培に取り組むことでした。
虫食い地獄を味わいながら。。。

農産物の勉強で八百屋修行に行く傍ら、起業家育成のセミナーに通い、食糧自
給率を上げること・空き家問題の解消という二つのテーマを結びつけた起業プランを作成しプレゼンしました。
誰にも相手にされなかった。。。

プレゼンした起業プランを実行するには資本不足だったので、添加物のない、
子供に安心して食べさせることのできるおいしいおやつを扱うお店をやろうと閃いたのです。
地産地消で、焼き芋屋をやろう!

■その5■ 再生編
行動力だけはあったので、まだお店も決まっていないのにサツマイモ農家さんのところへ一升瓶持ってあいさつに行ったわけです。サツマイモ作
ってください。
そして退路がない状況でお店を探しました。よく考えるとむちゃくちゃです。
うわーっとなってくわーっとして。
2013年に錦市場で焼き芋屋さん「みつ蜜」をオープンさせました。9割他力です。

 

平行して自給自足実験として京北町に移住、1年で挫折。(ガソリン代月額五万円なーりー)
市内に移住、畑を左京区花脊に移し、勝手に町おこしをやろうと決意し京都大学の学生たちと
チームを組み活動。
お芋のビールを作るも1本330mlが2,000円というアホなことになり挫折。
花脊の畑の獣除けネットが倒木で潰れ猪が侵入、収穫前のサツマイモが全滅。
と、だいたい失敗ばかりしながらお店を営業してきました。

■その6■ 未来編

お店を始めた頃、事業を拡大して10億円稼いで、でっかい社会貢献をする!
という謎の夢を抱いていました。
これまで1億人くらいに迷惑をかけた償いには、でっかい社会貢献しかない!と思っていたわけです。

 

でも、すこし利口になった今思うのは、拡大することが良いのかという問いかけです。
こつこつ地道に稼ぐ。というのがナンセンスのように扱われ、でっかい投資をしてでっかいことをやらなければ何も変わらない。みたいな、ギャンブル依存症患者が言いそうなことが広く流布し、市民権を得ているように感じます。
僕はそれがなんだかヤだな。と思うのです。

 

インターネット社会になり、流通革命が起こりました。モノと人を結ぶ、人と人を結ぶネットワークが注目され、お金が集中し、若い人達もそこに流れ込んでいく。
けれど、誰もがインターネット世界に従事し、モノを作らなくなったらどうなるんだろう。
ほんとうに大切なことは、手で、モノを生み出すことじゃないのかな。
たとえお金にならなくても、実体のある<モノ>を<手>で作る。
そういう人たちを大切にする社会じゃなくちゃいけないように思うんです。
だから僕は、「みつ蜜」を通して、手のぬくもりのあるモノを作る人達を大切にしていきたい。
そして自分自身でも農業を通して、あるいは身近な人達と協力して<場>を作ることで、モノを生み出して生きていきたいと考えています。

 

最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございました。
どうなんでしょうかこの文章。今日は寒い。おしっこが15分ほど前からもれそうです。もう限界。
そんなわけですからみなさん
「みつ蜜」を今後ともどうぞよろしくお願い致しますー!

おしまい

 

(各章の小見出しは、手塚治虫の「火の鳥」から拝借しました)

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